株式会社 エル・ディー・アンド・ケイ
代表取締役 大谷秀政
1968年生まれ、愛知県出身。
1991年、LD&Kの前身である(有)ビッグボス設立。
1994年11月に音楽レーベル開始。
1995年にエル・ディー・アンド・ケイを立ち上げ、
2001年に「宇田川カフェ」をオープン。
その後、多方面に事業を展開させ、2013年3月、中国・上海に「上海ROSE」を出店する。

----- 今では渋谷の老舗カフェで有名な宇田川カフェですが、元々自分が遊びに行ける店を作る目的で、宇田川カフェができあがったと聞きました。 宇田川カフェの成功要因は何だと思いますか。

ひとつひとつのメニューや環境づくりに適度にこだわりをもち、環境づくりで自然だと思われていることに実はすべてに流行るべく理由があります。そしてSEXをそこはかとなく感じさせているのです。
そして、街の中央で、ある程度の規模の店にも関わらず、チェーン店の手法とは正反対の独自の方法とイメージで営業しているから話題になっているのだと思います。
内装を例に挙げるなら、椅子の低さ、照明の暗さ、適度に騒がしい音楽、古くからそこに存在しているように見えるようにする、綺麗すぎないようにする。そしてフォトジェニックな景色をつくる。などという手法です。
フォトジェニックにしたところは、壁の片側に「ライトボックス」といって写真を光らせている部分がありますが、知り合いの写真家にアメリカの西海岸にまでいってもらい「多肉植物」の写真を撮ってきてもらいました。セクシーな植物です。
また、椅子の低さですが、渋谷はデートで利用するお客様が多いですが、座った時にお客様が格好良く見えるように椅子を調節してあります。皆さん格好よく見えたいですからね(笑)。

----- 「食べログ」では、味よりも雰囲気のほうが好評のようですが、これについてはどうお考えですか?

「食べログ」を最近見ないのでわかりませんが、当社のグループでも暇であまり儲かっていない店舗の方が「食べログ」などでは点数が高いようです(笑)。
また、味が判らない人が書いているのでしょうね(笑。もしくは食事をしていないのでしょう。
当店は食事も味付けをしっかりつけるようにしているので美味しいですよ。お酒に合うよう、出汁(だし)を強めにするように心がけています。
店が流行り続けている以上、大衆の意見はどちらでも良いです。
多数決で皆が好きなお店は、ほとんどの経営者が目標として目指してしまう分野なので、結局同じ内容になってしまい、差別化されない為、最後には価格競争になることが目に見えているからです。
この現象は現代の他の産業にもいえることですよね。

----- オシャレなカフェにはどういった条件が必要なのでしょうか。

大企業で本当に大勢の人を相手にするような商売を目指すのでなければ、または業界で1番のシェアを目指すのでなければ、そしてあなたが1店舗または数店舗のみを開店するような小規模の事業家なのであれば、自分のセンスを信じ、こだわれるところは自信を持ってこだわることです。
渋谷は都会ですのである程度、ほんの数パーセントの理解者(マーケット)が存在すれば成立するはずなのです。

宇田川カフェ

----- 夜カフェが流行った理由は何だと思いますか。

「宇田川カフェ」はもちろんコーヒーだけでなく、お酒も飲めて、美味しい食事もあり、暗いこと、低いこと、柔らかいことが特徴です。
これは人々のライフスタイルが多様化、個人主義になっている傾向にあわせ、当社では夜でもさまざまなニーズに答えられるように「カフェ」という業態として打ち出しをしています。
そもそもの「夜カフェ」の良さは、人々の様々なニーズに答えられるよう、コーヒーを飲むだけでも良いし、お酒を飲んでも良いし、食事をしても良いし、打ち合わせをしても良いし、愛を語っても良いという多様性が売りです。
特に「宇田川カフェ」は表面的ではなく、深層でSEXを感じさせているのです。人々の夜に盛り場やバーに出掛ける行動自体が、深層心理では薄められたSEXを求めていると考えます。それが「カフェ」であればハードルが低く、皆が抵抗なく夜の街に存在出来、気軽にSEXを感じるコミュニケーションが出来うる場所なのです。
ですから「宇田川カフェ」はとにかく暗く、椅子は低く柔らかく、ラテン系の情熱的な音楽が流れ、お酒が飲みたくなるエロティックなムードつくりを心がけているのです。
この、秘めた深層心理のニーズに合わせているのです。