大賞作品
小さい頃から、この海が、この島が全てだった。
太陽が照る日も
台風の日も、星降る夜も
はしゃぎ回った日々。
仲間たちとあそんでても
君が気になって仕方がなかった。
水面に写る君の姿が
焼き付いて離れなかった。
島での時間はゆっくりだったけど、確実に時は流れ
僕らは大人になった。
君も僕もそれぞれの道を
進むべき時がきて
君は島を出る。
幼稚な僕は引き留めることも出来ず、君を避けてしまっていた。
毎日海岸で空をみていた。
出発の前日、空をみていた僕を君は後ろから抱き締めて
『ちばりよ…』
と消えそうな声で言った。
僕はただ泣きながら頷くのみ
離れた背中が濡れていた。君は泣いていた。
僕はさらに泣いた。
君の乗った飛行機を
海岸で見送っていた僕の目に飛び込んできた
『にふぇーでーびる。
ましだったさ〜 』
君の字で砂浜に書かれた
ラブレター。
隣にはハイビスカスの花。
僕も君を信じる。
涙を溜めた目をこすり
僕は、飛行機に向かって手を振った。
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